一般人から「変態的」と蔑まれようとも、サイクリストなら「ヒルクライム」がもつ魅力に少なからず共感いただけるのではないかと思う。
天候、気温、体調いずれも万全で迎えた昨日土曜日、約8ヶ月ぶりのヒルクライムに挑戦した。
走ったのは埼玉県の中西部に位置する奥武蔵エリア。
ここは「奥武蔵グリーンライン」と呼ばれる林道が「顔振(こうぶり)峠」、「大野峠」、「苅場坂(かばさか)峠)」など、標高600〜800m級の峠を貫いている。その北方には東京近郊のヒルクライマーが「脚だめし」をすることで有名な「白石峠」もある。
これらの峠越えは魅力的であったが、生来の貧脚に加えて半年以上 平地しか走ってこなかったブランクがあるので無理は禁物と判断。今回は比較的 取り組みやすい越生(おごせ)から県道61号〜林道を経由して鎌北湖へ下るコースを計画した。
午前8時半 自宅のあるさいたま市を出発。30分で荒川(上江橋)に到着。
空気が澄んでいたせいか、西の方角には冠雪した富士山がくっきりと見えた。
荒川サイクリングロードではなく、入間川沿いに通っているサイクリングロード経由で国道254へ。
雲ひとつない青空で、手袋も外したくなるくらい暖かい陽気。
数日前の土砂降りの雨がウソのよう。
国道254号から県道212号にスイッチしたあたりでトレインを組んだローディ集団の姿がちらほら。高坂のあたりまでで30台以上は見かけただろうか。
「こども自然動物公園」〜鳩山町の住宅街を通過し、今回のヒルクライムの起点となる越生(おごせ)に到着。ここまでで距離約40km、約2時間。
一度訪れてみたかったパン屋さんが近くにあったので早めの昼食を取ることにした。
「パン工房 シロクマ」。
ブリジストン・アンカーの選手が通ったことからサイクリストの間にクチコミで評判が広がったお店。
到着すると既に10台以上のスポーツバイクが駐輪して、サイクルジャージを身をまとったお客さんがテラス席で休憩していた。「サイクリスト御用達のお店」とは聞いていたが、ここまで多いとは・・・。
さて、肝心のパンは値段が100円台のものが中心でお求めやすい価格設定。
チーズパン、ベーコンポテトパン、シロクマあんパン、ラスクを購入。
パンはどれも軟らかくてモチモチ。中でも面白かったのがシロクマあんぱん。一見小ぶりなパンは手に取るとズッシリを重量感があるが、あんこに加えてお餅が入っているため。腹持ちが良くて自転車乗りには嬉しいパン。
今後もこの一帯を訪れた際には立ち寄ることになりそう。
県道61号に入ると山あいの里山の風景へと一変。いよいよ山の入り口に差し掛かっていることを感じさせた。
そんなところへ目に入ったのが「黒山三滝」の看板。古い湯治場の雰囲気が気になり少し立ち寄った。
太陽の光が遮られた薄暗い一本道を進むと、温泉旅館といくつかの料理店が目に入る。いずれも「昭和」を感じさせる風景。
自転車で進める一番奥まで到達。石段を登ってこれまた雰囲気のある土産店をパスして奥へ。
黒山三滝の看板。
三つの滝のうち「女滝」と、
「男滝」がそこに。
マイナスイオンを浴びつつ休んでいると、「ブルッ」と身震いが。
滝行をしている修験者達の姿を思い浮かべたからか、それともこの後すぐに迫っている「ヒルクライム」に向けての武者震いだったのか・・・。
(後編へつづく)